けん玉とちょう結び
長男14歳、ようやくちょう結びが出来るようになりました。
向きがあちこち向いてますが、形は合っていますね。
さらに、けん玉もできるようになりました。
生活感たっぷりの背景ですが。
ちょう結びは、発達的には小学校に入るあたりで練習すればできるようになるもの。
ですが、長男は全くできず、上の紐と下の紐をひたすらくるくるしていました。
ですので中2の今でも、学校の上履き含め、すべてゴム紐。
調理実習で使うエプロンも、結ばないタイプ。
それ以外でちょう結びが必要なときは、友達か担任の先生が対応してくれていました。
長男は友達に本当に恵まれていて、クラスメイトが何もギモンに思わず、サラっと助けてくれるのですよ。
長男が結べなくて四苦八苦していると、友達が代わりにやってくれたり、読めないんだよ言うと、代わりに読むよとサラっと読み上げてくれるんですよね。
何度となく感動してきましたが、あれから遅れること6~7年。
ようやく空間認識的に、運動神経的に、何かがつながったんでしょうね。
というのもきっかけは、LD(学習障害)があまりにきつくてですね。
なんとかして脳神経を生やそうという試みです。
頭おかしいと思ってもらって構わないのですが、脳はずっと成長し続けるので、刺激していった方がいいというのが私の持論。
例え、生まれつきの脳神経的につながっていなくても、人間というカテゴリにいる以上、機能としてはできるはず。
話したり、自転車に乗ったり、道具を使ったり、ということはとりあえず出来るのだから、長男用の「できる」パターンがあるわけなのですよ。
ただ、専門家でもないただの親にできることは本当に何もなくて、だからといって学校の先生たちが何かやってくれるわけでもなくて、
通級は担任と合わずに辞めたし、療育の医師はアドバイスはしてくれても長男ができるようになるまで付き合ってくれるわけではない。
結局、親が何かしらの療法士の役割を果たさないと、日常生活での「できる」は増えていかない。
「できる」が増えないから体験が増えず、「できる」が少ないから自己肯定感が上がらない。
はたから見ると「できない」ことって見えないものなので、「できない」ことの何にひっかかっているかはわからない。
年齢が小さければ小さいほど、コミュニケーションがうまく取れないほど、自分の感覚を的確に言葉としてアウトプットできない人ほど、「できない」ことへのヘルプは出せない。
そもそも、自分が困っているという認識にならない場合も多く、自分はみんなとは何かが違うんだ=できない人間なんだ、と思い込むことになり、その辺のフォローは必須なわけです。
さらに、結構好奇心が強いタイプの私は、長男のLDに対して、文字は読めるけど文の意味が理解できない、ということの意味がわからず、脳神経のどこかがつながれば読めるようになると思っていたのですよ。
ただ、長男の場合は、目がチラッチラッと一瞬横に動いてしまう傾向があって、縦読みがどうしても難しい。
ビジョントレーニングを幼少期からずっとやっていて、だいぶ目の筋肉は安定してはきたものの、すべてがトレーニングをすればいいというわけではないことも一応理解はしています。
そんな経緯があって、どうやら単語を読んだときに、頭に映像が浮かばないらしいことが判明し、長男が小3の時に実験したんですね。
私が映画を文章化して、長男が読みやすい文字の大きさとフォント、横書きで作成し、チャプター1個ずつ、文を読み→映像を見て→文を読む、を繰り返す。
さらにピアノのハノンを毎日1回でいいからやってもらって、指先の神経を動かす。(長男は小指と薬指の存在を知ったのは年長)
これでトレーニングを続けることで、4コマ漫画もよくわからなかったのに、漫画をガンガン読めるようになったんですよね。
そこからの長男が漫画を読む速度と量はヤバかった。とにかく、これまで習得できなかった知識と情報を全部取ろうとしているみたいに、一日中ずっと読んでいましたから。
そんな過去があるため、また違うアプローチを始めてみようと思った次第です。
きかっけはこちらの本↓
自分の学習障害を自分で克服した人のお話。
実はこれまでも学習障害を克服している人の本は読んだことはあったのですよ。でも、そもそも本は読めていた人が多かったので、どうもしっくりこなくて。
動画とかも見て、私にもできることがあればと思いたったわけですね。
ただ私の場合、ド素人なので、実際に何が長男に必要なのかは全然わからない。
なので、これまで頑張ってはみたもののできなかったで終わっていた、運動神経を使うものを思い出し、
- ちょう結び
- けん玉
- なわとび
- おりがみ
まずはこの辺にチャレンジしてみたんですね。
そしたら、ちょう結びは3日。けん玉は10分くらいでできるようになりました。
ちょっと本来期待していたトレーニング効果は期待できない可能性が高くなってしまいましたが、本人も私もびっくり。
できないことを想定して、動画などで成功パターンのイメージに、長男の運動神経をどれだけ寄せることができるのか、を課題にしていたので、
あっという間にできてしまったことに驚きを隠せませんでした。
そのときの長男のうれしそうな顔が見れたので、もはやトレーニング効果は二の次三の次でいいのですが、やはり成長とともにできるようになることは必ずあると確信。
1日1回5分だけチャレンジ、というのも良かったかもしれません。
自閉症の子は、現状が変わっていくことがなかなか把握できないので、今できないと今後一生ずっとできない、と思いがち。
長男にとっても、人も世の中も日々変化して、変わっていて、成長していることを感じられるいいきっかけになったのではないかと思います。これで時間軸を少しずつ意識できるようになったらいいなと目論見中。
長男のけん玉は今、もしかめにチャレンジ中で、私はもしかめできるので、初心者技ルーティンを練習中。
あと1週間くらい続けたら、ちょう結びは違うトレーニングに変更してみたいと思います。
ピアノ両手弾き、もしくは、おりがみ。どっちにしようかなー。
ではまた。